
ガラス扉と板戸を組み合わせた上下観音扉の収納棚。一体で作られており、おそらく桜材と思われる硬く重厚感のある材が使われています。

ガラスは当時のオリジナル。気泡を含み、強い揺らぎが見られます。

経年によって色味に深みが増した落ち着いた風合いが魅力です。

元々扉には取っ手や摘みはなく、鍵を開けてそのまま扉を引く作りでした。残念ながら当時の鍵は失われていたため新たに製作しています。ベースとなっているのは古いアンティークキーです。鍵を回すとカチッと心地よい音がします。なお、スペアキーはございませんので紛失にはご注意ください。

扉は左側の上下に付いたラッチで固定されています。
鍵を開けた後、上のラッチを下げ、下のラッチを上げることで扉が開きます。閉じる際は逆の動作です。上下とも同じ仕組みになっています。
少し手間のかかる構造ですが、この棚を気に入ってくださる方ならこうした所作も楽しんでいただけるのではないでしょうか。

下段収納の様子です。下段は高さも強度もあるため、美術書や写真集、大判の作品集なども収納できます。

すっきりとした佇まいの中で、脚元にだけ控えめな装飾が施されています。
主張しすぎない意匠に、どこか日本らしい美意識を感じます。

本体の枠組みは「剣留め」という仕口で作られています。
角がすっきりと納まり、どこから見ても美しく見えるのが特徴です。
こうした細かな部分にも、当時の丁寧な仕事が感じられます。
