総楢材で作られた収納棚。細部に至るまで楢無垢材が使われた、手の込んだつくり。

まず目を引くのが格子状の扉。格子の裏にはガラスが入っており、厚さ45mmほどの無垢材を一つひとつ手仕事で彫り抜いて作られています。そのため僅かな不均一さや揺らぎが残り、整い過ぎない温かみを感じます。

扉の組み方も凝っていて、随所に工夫が見られます。細く繊細な格子でありながら、長い年月を経た現在も大きな狂いは見られません。わずかな反りこそありますが、それも含めて当時の職人の確かな技術力を感じさせてくれます。

内部には固定棚板が一枚、可動棚板が一枚。格子越しに気配は感じるものの、はっきりとは見えないところも魅力です。

棚板を支える受けにも目が留まります。高さを細かく調整できるよう刻まれた溝は、手間の掛かる仕事。それほど目立つ部分ではありませんが、こうした細部を見ると作りの良さを改めて感じます。

小振りながら見た目以上に収納力があり、日用品から趣味の道具までまとめて収めることができます。茶道を嗜まれる方であれば、茶碗や棗、水指などをまとめて収納する場所としても重宝しそうです。